―――妖怪、ムラサ。




私は人間たちから、そう呼ばれている。



































それにどんな意味があり、何をもってそう名付いたのか私にはわからない。


けれど、自身に呼称が付くことで特に不便を被るわけでもなかったから。


そのうち人間たちがその名前を口にしたときは私のことを指しているんだな、と認識するようになった。
































人間たちはみな、その名を憎々しげに口にする。








ある者は親を、ある者は兄弟を。








ある者は子供を、ある者は恋人を失ったと。








そのことについては別段、どうとも思わない。






















それが、妖怪というものだから。
その中で、ただ一つだけ興味を持ったことがある。 それは
その者たちが一様に妖怪「ムラサ」と言うところだった。
だから、ムラサは今日も夢を見る。 それは、目覚めたら泡沫のように消えてしまう朧げな、夢。 それでも彼女は夢を求め続けた。
それが今の自分の意味だったから。
「ねぇねぇお父さん。やっぱり私、船に乗りたいよぉ。もうこれはあれだね。恋ですよ、愛しちゃってますよ、海と・・・星蓮丸を!」 「一回だけだとか、そんなんじゃないの!私はお父さんみたいなセンチョーになりたいんだからぁ!」 「けど・・・それでも私、海に・・・海に行きたいんだよぅ」 紡がれる、夢の断片。 でも、いつもその夢のつづきが見れなくて。 ―――タスケテ ―――ワタシアノ**二、カエリタイ ―――ドウカワタシヲ、カイホウシテクダサイ 夢のつづきを求めて海をさまよい続ける少女は 夢の果てに何を見るのか。 ―――私の名は ―――村紗水蜜。 ―――かつてこの船を愛し ―――この船に乗っていた者たちを愛した・・・人間。 あかれんがpresents 「夢のつづき」 夢のつづき 表紙 10/11 東方紅楼夢(第六回) インテックス大阪 4号館 M−01bにて配布
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